【新潟】 久保田 百寿
なぜ「久保田」は売れ続けているのか。
その答えは、しっかりと地に足の着いた酒蔵を守り続けているからではないでしょうか。
平成2年といえばバブル真っ只中、うわついた世の中に皆が流されがちな時代に朝日酒造は「あさひ農研」を設立。地元JAと、理想の米作りに地道に心血を注いできました。結果、他の蔵の追随を許さない栽培技術への深いこだわりが今でも蔵全体に行き届いています。「酒の品質は、酒米の品質を超えられない」これはかつての杜氏さんが発した言葉だそうです。
もう一つの理由は、蔵の命運をかけた思いが詰まった酒だったからです。
開発当初は「東京X(エックス)」と名付けられたこの酒が、世代を超えて愛される酒になったのはその当時の蔵で働く全員が「新しい日本酒の未来を創る」と一致団結して世に出し、その良さが分かる酒販店だけに出荷し、造りを可視化して高品質の酒を四季を通じて生産可能にした、という他の蔵ではありえないほどの情熱を傾けたからではないでしょうか。
地域と共に歩みながら、地域を超えた挑戦を続ける。これこそが朝日酒造のDNA。これぞ辛口の日本酒という切れ味鋭い味わいは、誰にもまねできない不断の挑戦から生み出されたものでした。